クサビ式足場のメリットと他の足場との違い

クサビ式足場は支柱や踏板と手すり、階段やブラケットとジャッキなどの部材で構成されるのが特徴で、ハンマーで叩いて組み立てられるのが強みです。
重機は不要で作業人員も最低2名程度と、ハンマー1本で組み立てることができるのが、後発の足場としての大きなメリットです。

 

組み立て方法さえ覚えてしまえばスピーディーに組み立てられる

また、部材はユニット化されていて緊結しやすく、組み立て方法さえ覚えてしまえばスピーディーに組み立てられる点に魅力があります。
この組み立ての時間短縮こそが強力な武器で、解体作業も従来より短時間で済ませられるのがポイントです。
必要な部材がユニット化されていて、簡単にその場で足場を作り上げられることから、搬入作業が楽で部材の保管場所を確保せずに済みます。
つまり、作業開始の当日に部材を搬入して、すぐに足場を組み立てる作業に入ることができるわけです。
クサビ式足場は同じユニットをまとめて扱いやすいので、そういうところも作業者にとっての魅力だといえるでしょう。
狭小地では一側の芯付で組み立てることが可能で、スペースが限られる場合でも足場を確保することができます。
建物と建物の間に面する壁面の作業などにおいて、この組み立て方は威力を発揮することになります。

 

足場の上部分の空間を広く使えるのが魅力

もう1つの組み立て方の跳ね出しは、ブラケット一側で組み立てる形で、足場の上部分の空間を広く使えるのが魅力です。
壁面から屋根に掛けての作業に最適で、高いところでもしっかりと足場を確保して作業に入ることができます。
本足場の持ち送り本足場は、広い敷地におけるクサビ式足場本来の設置方法です。
作業スペースの足場が1つ前に出る形で設置されるので、1名で広々と作業をしたり、複数人で協力しながら作業が進められます。
ブラケット一側ののり面階段は、中高層建築の作業にマッチする組み立て方で、クサビ式のバリエーションの1つです。
強度が高く揺れに強い足場だからこそできる使い方で、30mくらいの高さなら余裕で活用可能です。
勿論、正しく組み立てることが大前提ですし、腐食などの劣化が見られず、強度に問題がないことが重要です。
一般的に仕上げに溶融亜鉛メッキが施されていますから、短時間で腐食することはまずありませんし、部分的に傷がついても水や汚れなどから保護されるので安心です。

 

極端に狭いスペースだと設置そのものが不可能になる

単価はリーズナブルで、必要な部材の分だけの費用で済みますし、複雑な形状の建物にもフィットするように設置できるのが魅力的です。
寿命が長く何度も繰り返し使えるので、環境に優しく経済的にも理想的で優れているといえます。
クサビ式足場にも欠点やデメリットはないわけではなく、極端に狭いスペースだと設置そのものが不可能になります。
ハンマーで叩いて緊結する仕組みですから、作業中に音が発生してしまうのもネックです。
枠組み足場は枠とアンチで構成されている足場で、更に安全性と高層階に対応できる点が優位性となっています。
設置と解体作業のスピード、狭い設置スペースに対応できないことはクサビ式と共通ですが、部材が大きいことによる搬入と保管スペースのデメリットが増大します。
高層建築や徹底した安全性重視でなければ、総合的にはバランスの良さでクサビ式足場に軍配があがるでしょう。

 

単管足場は最小の設置スペースが小さく場所を選びにくい

単管足場は性格が逆で、最小の設置スペースが小さく場所を選びにくいのが武器です。
組み立ての自由度が高く建物の形状による制約を受けにくく、コストが抑えられることもメリットに加わります。
ただし、安全性が劣ることや足場が狭く物が置きにくい点は、後発の足場に優位性を譲る部分となります。
単管ブラケット足場は、単管足場よりは安全性が高いものの、ブラケットを1個ずつ取りつける必要があるので作業に時間が掛かります。
吊り足場は、設置できる地面がなかったり限られる時にのみ選択されるものです。
特殊なのであまり使われませんし、やむを得ず使用する側面があるので、安全性に関しては他のどの足場と比べても負けてしまいます。
先行足場は安全性を考えて開発されたタイプで、低層建築であれば安全面において右に出るものはいないほどです。
しかし、中高層建築には全く向かず、資材の搬入に制限が掛かりやすいなど、メリットに比べてデメリットが多いのが悩みの種です。
張出し足場は設置スペースが少なく済んだり、建物自体に取りつけて設置することが特徴です。
特殊な構造故に設置には計算が必要で、デリケートな為に組み立ても使用にも細心の注意が求められます。
低層作業なら移動式や脚立足場が便利ですし、設置が容易で安全性も申し分ありませんが、中高層に対応できないのは最大の欠点です。

 

まとめ

このように、足場にはそれぞれ一長一短があって完璧なものは存在しませんが、クサビ式足場は全体的に完成度が高く使い勝手が良いことが分かります。
部材も設置も特殊ではなく低層から高層までカバーできますし、作業性と安全性が確保されていますから、安心して快適に作業に集中できます。
普及していたり入手性が良いのも魅力で、単価が現実的だったりレンタルなどで借りられることも、痒いところに手が届く利便性です。

 

引用元サイト:KRH 社長